わんルーム!名犬ヘロッピ物語。その11(ヘロッピの恋)

ヘロッピは日曜日が待ちどうしくてたまらなかった。

「はよ日曜日けえへんかいな、待ちどうしいの、またジュリアにあいたいの。」と毎日思ってるのであった。

「今度の日曜日雨やったらどうしようかいな」と心配でならないのであった。

あまりに心配なのでかなりのストレスがたまってきているようで食欲もなくなってきたのであった。

「おえ、ヘロッピこのごろ餌あんまりへれへんやないか、飯食うとるのんか」とご主人も少し心配のようすである。

毎日部屋の中をうろうろ歩き回っては鏡の前で吠え続けるのである。

「毎日落ち着けへんの、このごろ夜も寝られへんがな、ジュリアの夢ばっかりみてしもてかなわん」といっては

鏡の前で吠えているのであった。

しかしなぜ鏡の前で吠えるのかまったくなぞであった。

そして日曜日がやってきたのであったがあいにくの雨で散歩どころではなかった。かなりの大雨であった。

「今日は雨やがな、ジュリアに会われ変のんかいな」といいながらまた鏡の前で吠えていると

「やかましいのヘロッピ雨やから散歩はなしや、鏡の前で吠えるのやめんかえ」とご主人に怒鳴られたのであった

「しかし残念やの今日は楽しみにしとったのにの」とかなり落ち込んでしまった様子であった。

益々ストレスがたまりやせてきたようでご主人もかなり心配しだしたのであった。

「ヘロッピいっぺん医者いこか、大分痩せたきたの」というがヘロッピは「医者行ってもようなれへんがな」と言うの

であった。

そうして一週間がすぎてまた日曜日がやってきた。

「今日はええ天気やないか、散歩いけるな 今日こそジュリアい会えるがな」と朝からうきうきしているのであった

「ヘロッピ久ぶりに散歩いこか」とご主人にいわれてうれしくてたまらないようであった。

家を出てしばらくするとドーベルマンのジョンと出会った。

「ヘロッピなんやお前痩せたやないか、なんぞあったんか具合悪いんか。そやけどなんや嬉しそうやないか

ジュリアに告白したんか」とジョンに言われてしまったのでつい言ってしまった。

「そやねんがな前にいっぺんゆうてんがな、「つきおうてくれへんか」言うてんけどな断られてんけどまだあきらめ

てへんねん」とうれしそうであった。

「ヘロッピまあ頑張れ応援してるさかい」と言っているジョンの顔はバカにしているような笑いであった。

しかし今日のヘロッピはそんなことはまったく気がつかないほどうかれているようであった。

そうして公園にやってきた。公演でキョロキョロしているとポチがいきなり「わん!」と吠えたのでびっくりした

ので「ヘロッピなにきょろきょろしてるんや」と笑うのだがヘロッピは何をいわれてもうわのそらである。

「ポチかびっくりするやないか、今いそがしいんや」といいながらきょろきょろしているのである。

「やっぱりお前おかしいの落ち着きが無いやないか」と言われてしまった。

「もうすぐジュリアがくるねんがな、今日は絶対にはっきり言うつもりやねん」とポチにいうとポチが笑いながら

「おまえやめとけお前とはあかん、つろくしてへんがな、お前みたいな不細工なペギニーズの雑種と血統つきの

チワワとではあかんで」と笑うのであるがヘロッピにはまったく通じないのであった。

「やかましいの、ほっといてくれ わしはジュリアがすっきゃねんがな」と怒り出してポチと喧嘩をしだすのであった

「やかましいのなに喧嘩しとんねん」とご主人に蹴りを入れられてしまったのであった。

「ヘロッピむりやと思うけど頑張るこっちゃ」といいながらポチは笑いながらどこかへいったのであった。

そうしているとジュリアが近づいてきた。

ヘロッピは少し緊張したようすでジュリアに声をかけてみた。

続く