兵庫県宝塚市の中川智子市長が6日に市内で開かれる大相撲の春巡業の際、土俵に上がってあいさつすることを求め、日本相撲協会から断られた。「土俵は女人禁制」の伝統が理由とみられる。中川市長は毎日新聞の取材に「相撲の伝統を守るとしても、首長は性別に関わらず平等の立場であるべきだ」と話し、6日は土俵の下から同様の主張をするという。
京都府舞鶴市の4日の巡業では、土俵上であいさつ中に倒れた多々見良三市長の救命処置をした女性に対し、協会側が土俵から下りるようアナウンス。波紋を呼び、協会の八角理事長(元横綱・北勝海)が「人命にかかわる状況には不適切な対応でした」と謝罪のコメントを発表した。
市関係者によると、中川市長は舞鶴市長が土俵の上であいさつしていたことを報道で知り、同じように土俵からあいさつできるよう、5日に主催者の「宝塚場所実行委員会」を通じて日本相撲協会に要請。「伝統に配慮して土俵の外であいさつしてほしい」と断られたという。宝塚開催の「宝塚場所」は今年が2回目で、中川市長は昨年、土俵の外であいさつしていた。
土俵の女人禁制を巡っては、2000年の春場所で、大阪府の太田房江知事(当時)が土俵の上で優勝力士を表彰することを希望し、協会に断られた例がある。【石川勝義】