山口県周防大島町で行方不明となった藤本理稀(よしき)ちゃん(2)の捜索が続いている。

 理稀ちゃんは12日午前10時半ごろ、曽祖父の家から約400メートル離れた砂浜に海水浴へ行くため、祖父と兄と一緒に歩いて出発。途中でぐずった理稀ちゃんは、家からの距離が100メートルほどの地点で1人で家に引き返したという。

 祖父は理稀ちゃんが曽祖父宅の約20メートルまで近付くのを見ていた。その後、遅れて曽祖父宅を出た母親らが理稀ちゃんと出会わなかったため、行方不明になったことが分かった。

 柳井署などは13日、約140人態勢で近くのため池や水路を捜索したが、手掛かりは見つからず。この日は理稀ちゃんの2歳の誕生日だった。

 それにしても祖父が目を離した家から20メートルの間に一体何が起きたのか?

 捜査関係者は「現時点で事件の可能性は低い。ため池や水路に誤って転落したことが考えられたが、この日の捜索では何も見つからなかった。現場には警察犬も投入されているが、こちらも反応はなし。田舎の“神隠し事件”では猛禽類に子供がさらわれるケースが多々あるので、それも考慮に入れている」と話す。

 同様の事件に学ぶのも手だ。10日には大分県臼杵市で女児(2)が母親の実家に帰省中、行方不明となったが、数時間後に実家から数百メートル離れた山中で発見された。

 2016年12月にも同県佐伯市の畑で女児(2=当時)が行方不明に。翌日、無事保護されたが、見つかった場所は畑から約2キロメートル離れた山中の崖の下だった。

「2歳児は好奇心旺盛で、大人の想像をはるかに超える行動力を見せる。佐伯市の件で『あり得ない場所を探せ』というのが、合言葉になった」(関係者)

 県警は14日朝から理稀ちゃんの曽祖父宅を中心に山間部まで捜査範囲を拡大。柳井海上保安署は巡視艇を出し、海上を捜索するという。無事に見つかることを祈るばかりだ。