走り過ぎは死亡率上昇との研究結果、有酸素運動は免疫力UP

「油ものを避けて野菜を多く食べること」「好きなことをしてストレスをためないこと」──長生きする人にワケをたずねても、答えは千差万別。

 本誌・女性セブンでは9月12日号で『死亡率を上げる食べ物・生活習慣』を特集。大きな病気やけがをしなくても、また過度な飲酒や喫煙をしなくても、毎日の食べ物や生活習慣の積み重ねで死亡率や死亡リスクが上がってしまう場合があることを明らかにした。その事実に多くの読者から反響があった。

 その声にお応えすべく編集部がさらに取材を進めると、死亡率に影響を与えているのは、食べ物や生活習慣だけではないことが明らかに。例えば、趣味によって死亡リスクが高まるということがわかったのだ。それではどんな趣味が寿命を縮めるのだろうか。

 イギリスのオックスフォード大学が110万人の女性を対象に行った研究によると「毎日激しい運動をする人」は死亡率が高くなるという。秋津医院院長の秋津壽男さんはこう語る。

「運動は、“ああ気持ちいい”で終われるくらいがちょうどいい。ヘトヘトに疲れた状態にまで負荷をかけすぎると、かえって体を傷つけてしまいます。アスリートは上手なメンテナンス方法を知っていますが、一般人はそうではない」

 特に、ランニングのやりすぎは死亡率を上げるため、注意したい。

 しかしもちろん、適度な運動ならば効果的だ。具体的にはテニス、エアロビクス、スイミング、サイクリングが、いずれも「死亡率を10%以上下げる」効果があることが、オーストラリアのシドニー大学の研究で明らかになっている。

 石原クリニック副院長の石原新菜さんはこう言う。

「これらの有酸素運動は、特に体の7割を占める下半身の筋肉をよく使うため、体温が上がり、免疫力アップにつながると考えられます」

「運動して汗を流すことの大切さはわかるけれど、どうしても苦手だ」という人には、サウナが最適だ。

 秋津さんはこう解説する。

「サウナで汗をかくことでストレスが緩和され、自律神経のバランスが整えられるからでしょう。ただし、運動と同様、サウナも効果があるのは“気持ちいい”と感じる程度の時。熱さをがまんすると心臓に負荷をかけすぎ、脱水症状になるリスクもあるので逆効果です」