サッカー日本代表FW本田圭佑(31)の発言が波紋を呼んでいる。

 14日に放送されたNHKの番組で、「ハリルのやるサッカーに全てを服従して選ばれていく、そのことの方が僕は恥ずかしいと思っている。自分を貫いた自分に誇りを持っている」と激白。先月9日に電撃解任されたハリルホジッチ日本代表監督体制では主力の座から陥落、開幕まで1カ月を切ったロシアW杯の日本代表入りも当落線上と言われた。インタビューは指揮官解任前に行われたもの。W杯本番で代表を外されたときの言い訳、予防線のようにも聞こえるが、スポーツライターの平野史氏は「今回の本田の発言を一言で表すとすれば、“ダッセエな、こいつ”ですね」とこう続ける。

「戦術を決めるのも、その戦術にフィットする選手を選ぶのも、全ては監督の権利。そういう意味では、サッカー、特に国の代表チームは監督のものと言っていい。ハリル体制で本田が不遇をかこったのは、指揮官の目指すサッカーに必要とされなかった、ただそれだけのことです。世界中のどの国のクラブ、代表でも日常的にあること。服従だとか誇りだとか恥だとか、個人の思いや感情が入り込む余地のない話です。今回の本田の発言には、“オレは代表に選ばれて当然。外れるとすれば、それは監督の方の問題”という彼の傲慢さがよく表れている」

 そもそも、本田がハリル体制で不遇をかこったのは、戦術うんぬん以前に、自身の顕著な衰えが最大の要因でもある。

「私はハリルホジッチ監督を評価していませんでした。解任は当然だと思っている。それでも、本田を重用しなかったことは理解できる。本田のパフォーマンスは明らかに落ちているからです。セリエAのACミランで背番号10を背負いながら、結果を残せなかったのは厳然たる事実。それを棚に上げ、チームの全権を持つ指揮官を批判する。日本サッカーにフィットしない監督を招聘した協会に矛先を向けるのならまだしも、選考に関する監督批判は意味がない。もろもろのことを考えてやはり、ダサイ、カッコ悪いという印象です」(前出の平野氏)

 スポーツメディアの中には、「信念を貫く本田節」などと持ち上げる向きもあるが、27日後に迫ったW杯に臨む日本代表の中には、ハリル前監督の戦術を理解しようと努め、制約の中で個性を発揮しながら、チャンスをつかんだ選手もいる。本田の発言は、そういう選手を愚弄するものでもある。クビを切られた天敵が去り、本田のW杯本大会登録メンバー入りは確実視されているが、“西野新監督の下、一致団結”という状況で傲慢男は本当に必要なのか。