20年東京五輪マラソン競歩の開催地が1日、札幌市に正式決定した。この日都内で国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長、大会組織委の森喜朗会長(82)、小池百合子東京都知事(67)、橋本聖子五輪相(55)が出席した4者協議で発表された。最後まで反対した小池知事は「合意なき決定」と表現。都が費用を負担しないなど合意した“札幌移転4か条”が披露された。一方、大学駅伝の名物指導者らはIOCに苦言や提言を呈した。

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 五輪マラソンが札幌開催になるなど全く考えていなかった8月9日、1年後の男子マラソンを想定し、東京のコースを本番と同じ午前6時スタートで走った。49歳の私が易しい前半を、28歳の太田涼記者が暑い後半を分担しリレー。私は新国立競技場前から中央通りの高島屋前まで約20・5キロを2時間4分で走破した。

 コースはビル陰に遮られることが多く、20キロ地点まで約90%は日陰。午前11時30分には今年2番目に暑い35・6度を記録したが、午前6~8時の間なら、ちょっとだけ鍛えているオジさんランナーが走りきれた。私が中間点にたどり着いた時、五輪ランナーは間もなくゴールの時間。確かに暑いが、超人たちは十分に対応できると感じた。棄権する選手は出るだろうが、それはどこでも変わらない。

 同じ午前6時スタートと仮定した場合、8月9日の平年値(81~10年)の午前6~9時の気温は約5度、札幌の方が低い。だが、日の出は約22分早い。晴天だった場合、原監督が言う通り、直射日光を浴びる時間が長くなる札幌の方が厳しい気がする。多くの陸上関係者が指摘する通り、もっと議論すべきだったのではないか。おそらくバッハさんやコーツさんは空調がよく利いた部屋で札幌移転を決めたのだろう、と思う。(竹内 達朗)